カテゴリー

  • カテゴリーなし

音楽をより深く体験するために ~「楽譜通りに弾く」の本当の意味その1~

 

biidama2音楽をより深く体験するために ~「楽譜通りに弾く」の本当の意味~

【毒舌キョコ先生によるピアニストのためのグループレッスン風】

 

どの曲を演奏するときもそうですが「基本テンポどおり」そして楽譜に忠実に。

あなたたち、この文が本当は何を意味するものかわかっていますか?
ジェニファー説明してみてくれる?

ジェニファー:楽譜に書いてあること意外はやってはいけないということです。

そうね。そのとおり。でも私が質問しているのは文自体の意味じゃないの。ほかには?ナタリー。

ナタリー:(少し間をとって)メトロノームにあわせてそのテンポで演奏できるように練習することが重要だと思います。

ええ。曲にはその曲が生き生きとするテンポが確かに必要ね。でもあなたの言ったことは大間違い。なにが間違っているのかわかる?

呼吸よ。あなたたちピアニストでしょう?歌や管楽器と共演したときのことを思い出して。彼らの音楽の推進力の元になっているのは自分の身体のひと息。メトロノームのテンポどおりではないはずよ。伴奏をしていてどう思った?アンドリュー?

アンドリュー:ひとつのフレーズが終わって次のフレーズに移るときはたくさん息をすわなければならないので、少し間を空けないと伴奏がずれてしまいます。

そのとおり。いいわ。あなたいいピアニストね。テンポどおりということは決してメトロノームに忠実なテンポを守るということはないの。自然な流れをつくりだすためには呼吸の始めと終わりがどこにあるのか。これを楽譜上から読み取るということが最も重要なことなの。

書いてあるテンポのまま、始めから終わりまで通してしまったら曲が死んでしまう。存在価値のないただの音の羅列よ。そしてそんな演奏をする演奏者は芸術家には決してなれないわ!自分は「正しい」と思っているただの自信過剰の二流奏者ね。

 

※注1 架空のシチュエーションです(念のため)

※注2 私は普段こんなに怖い先生ではありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です