~楽譜のマッピングについて~
ピアノのキーをひとつ押してみましょう。
音が鳴りますね。手を離すと音は鳴り止みます。
次にキーを押したあと、耳を澄ませて聞きましょう。 音はだんだん小さくなっていきます。ハンマーが絃を叩いたあとは音が減衰するからです。
音と音の間には常に>(デクレッシェンド)が存在します。どんなに短い音の間でも。 長い音、ゆっくりのテンポならそれを耳で確認することは容易ですね。でも速いパッセージのときは?
ピアノを演奏するときに楽器に触れている部分は指先とペダルに触れている足の先のみです。 音を弾いたとき、実は私たちは耳と指先、足先から振動を感じることができるのです。
強く弾けば大きな振動を、小さく弾けば小さな振動を、感じます。 テンポや音色を変えれば微妙に鍵盤にふれている指触りが変化します。
曲に表情をつけるには音量と音色を変える必要があります。 楽譜には曲がどんな音楽なのか、そして作曲家の意図を示す地図ともいえる音符と指示がたくさん書いてありますね。
私たちは正しく地図が読めれば迷わずに目的地に到達することができます。 曲も正しく楽譜が読めればその意図する音楽に迷わず到達することができるのです。
そして目的地に向かうとき、迷わなければ確実に進むことができます。速い乗り物に乗っても平気です。 同じように、どんな音楽にしたいのか、迷わなければ確実にその人のやりかたで進むことができるのです。
音楽の方向性に迷いがなければ色々な感情が生まれたり、楽譜から感情を感じられたりできるようになります。
耳とからだでまずは自分だけの音楽の地図をつくってみましょう。
楽譜のマッピングとはそのような意味で名前をつけました。
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